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『箱』と『中身』 -1

大学卒業後6年間、都内某建築事務所で働いた。
いろんな経験をして、多くのことを学んだけれど、
いつからか、自分の仕事を、
「『箱』を作って、オシマイ」
と、感じるようになっていた。

建築物を『箱』とするなら、『中身』はインテリアや家具、そして人。
その時していた仕事では、『中身』にアプローチするのは
限度がある(ってゆうか無理な)ように思えた。
そして、それは、自分が望むカタチではなかったのだ。

そんな時、とある文が目に止まった。
何かの記事だったか、本の一節だったか。
それすらも覚えてないけれど、私にとってはインパクト大だった。

「イタリアでは、建築家は建物の設計はもちろん、インテリアデザインも家具や照明のデザインも、果てはフォークやカップのデザインまでする」
という内容の文。

日本では、
建築家は「建物」を
インテリアデザイナーは「インテリア」を
プロダクトデザイナーは「プロダクト」を
設計するのが一般的で、
有名にならない限り、その枠を超えるのは難しい。
少なくとも私は、そう思う。
だから、『箱』とか『中身』とかの境界なく活動する
イタリアの「建築家」というスタイルに、心が動いた。

が、その時点ではまだ他人事で、
「そんな風に仕事が出来たら、楽しいだろうに…」くらいに思っていた。
まさか自分がイタリアに行くだろうなどとは、夢にも思ってなかった。
その後、いろんなきっかけが重なって、
まるで引力に引っ張られるみたいに、バタバタとイタリア行きを決めた。
あまりに急だったので、周囲も自分も驚いた。

最先端の建築は、イタリアにはない。
家具デザインだって、今や北欧の方が人気がある。
渡伊を決めた私に、多くの人が聞いた。
何故、今、あえて、「イタリア」なのか。

その理由は、『箱』と『中身』。
by kei-milano | 2006-10-16 21:10 | お仕事
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