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チェシュメ −移動日

イズミルへ行くなら、チェシュメに行った方がいいよ」
と、私が相談した時に、Mちゃんがアドバイスをくれた。

名前すら知らなかった町「チェシュメ」。
そこはギリシャから最も近いトルコ。
海のキレイな小さな町。

「イスタンブル」から飛行機で「イズミル」へ。
そこからはバスで「チェシュメ」へ向かう。
「イズミル」はトルコで第3番目に大きな町。

「イズミル」の空港から町の中心部までは
なんとかたどり着けたのだが、
そこから「チェシュメ」に行くバスの乗場が分からない。
近くにいたオジサンにとりあえず英語でたずねると、
相手も片言の英語で説明してくれ、
あげく「俺の友達にバス停まで案内させる」と言われ、
躊躇している間に、若い男の子に「付いて来て」と合図される。

「えーっ。もしかしてお金とか請求されちゃう?!」

しかし、なす術もなく、彼のあとに付いて行くことに。
しばらく歩くと、ごくごく普通のバス停留所があり、
「ここだ」と言う。

「マジですか???」

しかも男の子は一緒にバスが来るのを待ってくれた。
沈黙。…気まずい。

「やっぱりチップが必要?!」

バス到着。
しかしそれは、ごくごく普通の町内を走るようなバスだった。
男の子は親切に荷物を運ぶのを手伝ってくれ、
さわやかに手を振って、そして去って行った。

「えーっと、チップは…」

ぼーぜんとする私と走り出すバス。
でも、

「本当にこのバスでいいの???」

バスの中で、近くにいる人に聞いてみる。
「チェシュメに行くには、このバスでいいの?」
「OK!OK!」
いまいち信用に欠ける。

まぁ、なるようになるだろう。
すでに相当やけくそになっていた。
とりあえず人を信じるしか術がない。
間違ってたら、引き返してタクシーに乗ればいい。

中心部から少し離れた、とある停留所で、
「ねー、チェシュメに行くんだったら、ここで降りないと!」
と、長髪の兄さんに声をかけられた。
びっくりしてあわてて降りると、その兄さんも降りた。

「やっぱり普通バスで「チェシュメ」までは行かないのね。」

妙に腑に落ちる。
しかしそこはなにもない歩道の真ん中。
さて、どこへ行けばいいの?

「乗場、分かる?」と、さっきの兄さんが問う。
首を振る私。
「じゃ、連れてってあげる」

はっきり言って観光客には分からないような場所に、
「イズミル」−「チェシュメ」を結ぶバスの乗場があった。
トルコでは『オトガル』と呼ばれる、大型バスの駅。
例の兄さんはこれまたさわやかに
「Have a nice trip!!」と言って、去って行った。

この日、思ったのは、
「この国は人の善意で成り立っているに違いない。」
ということ。終始、たくさんの人に助けてもらった。

やっとこ、「チェシュメ」へ向かうバスに乗ることができた。
しかしまだ残された問題があった。それは、ホテル。
前もってネットで予約しておいたのだけど、
どこなのかさっぱり分からない。
ネットで検索しても、見つからなかった。
行けばどうにかなるだろうと思っていた。
もう日も暮れて、辺りは真っ暗。

「本当に見つかるの?」

バスの中で、数人にたずねてみる。
そのうちの一人はそのホテルを知っていて、
自分もその近くの停留所で降りると言う。
ラッキー!
バスを降りて、「この道をまっすぐ」と教えてもらう。
空港からここまで来るのに、もうかなりヘトヘト。
しかし問題はほぼクリアしたのだ。気持ちは明るい。

この道をまっすぐ行けば、、、、
ホテルはもうすぐ!!!

と、T字路にぶつかった。
ホテルの看板はどこにも見当たらない。

うーーーっ。

こうなったら、片っ端から人に聞く。
たいていの人は「知らない」と答える。
ここではイスタンブルほど英語は通じない。
(私の英語も最悪…)
それでも数人に
「あっち」「まっすぐ」「右」などと教えてもらう。
言われるがごとく、右往左往。

たまたまその日、近くの野外劇場でコンサートが開催され、
周囲は人ごみでごったがえしていた。
その波をかき分けつつ、スーツケースを引っ張って歩く。

ついに、ホテル発見!!!
「やったー!良かったー!」
ふぅー。
妙な達成感!

なんと、例のコンサートのせいで、ホテルの電源が落ちていた!
そのため看板の照明も消えてしまったという。
電気のない真っ暗なロビーで、とにもかくにも、チェック・イン。
by kei-milano | 2006-09-12 03:09 | ヴァカンス / 旅行
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